2020年やっていた仕事などのまとめ
2020 年は一般的なソフトウェアエンジニア。というよりは少し経路が違う仕事を主にやっていたので、良い機会なのでまとめようと思います。
やったこととしては多岐に渡って価値を発揮できたかなと思う一方、心情的にはしっくりこない一年でした。
要約
業務内容だけ見たい人は実際の業務についてへ
- 採用ブランディング/DX改善/コミュニティ活動などを行うチームを設立し、回していた
- それと並行して、採用活動や選考フローの改善、LINE DEV DAY 2020 Frontend の管理を行った
- 来年はまた事業側の仕事をやっていくつもりである
出来事
先に今年は大きな出来事が2つあったので、その変遷を紹介します。
Front-End Advocates TF を立ち上げた
今年の 3 月に Front-End Advocates TF という Task Force(以下 TF) を社内で設立しており、それの TF長という仕事に就いていました。ひとまず2021Q1まではこの仕事が続くことになっています。
Task Force というのはアサイン以上チーム未満を管理する箱で、レポートラインには食い込まないがリーダーとメンバーがおり、リーダーにある程度の裁量と責任が与えられるような形。
ある程度プロジェクトを自由に立ち上げたり、人をアサインしたりできる権限があるので、チームや事業単位よりは小さいが、個人や有志よりは大きい(Officialな)立ち位置を受け持つことになりました。
組織の構造について
- 組織サイズ: センター > 室 > チーム > (Task Force) > 人
- 管轄: 事業 > Task Force > プロジェクト > 有志
チームの仕事は後述しますがざっくり言うと DX 向上。といってもこの言葉から連想される Front-End Ops に限ったわけではなく、採用/コミュニティ活動/Opsあたりを一手に引き受けるようなチームとなっています。
なお、この Task Force の設立によって、私は組織説明資料にある7つのチームのどれにも属さない形となり、フロントエンド組織の一番親組織直属で動く形となりました。後述の通り通常の組織構造だとあまりない仕事が多いので、センター長室所属みたいなものだと思っていますが、センター長も今年から執行役員になっていたので、そういう立ち位置の人間が生まれても不思議ではない印象。
TF に関しては、対外活動も多く時勢の影響をダイレクトに受ける中、メンバーみんなが業務を遂行しつつ新たなバリューが開拓開拓され続ける、すごく良い TF となったと思います。優秀なメンバーたちに、本当に助けられた。
企業でのコミュニティ活動を立ち上げた人たちは今はフロントエンド開発センターに残っていないのですが、それを継いでやっていた活動を、しっかりと伸ばしつつ次の世代に移譲していく形になれたかなと思います。
採用担当と LINE DEVELOPER DAY の運営を行った
https://devday20-frontend.linecorp.com/ をより画像は拝借
今年は市場が固まりきっている中、会社は採用を止めるつもりはなく、むしろもっとアクセルを踏んでいきたいということだったので、今年は採用に関わる仕事に駆り出されていくことになりました。
フロントエンド採用全体を見るという形になっており、そもそものブランディングや集客はもちろん、カジュアル面談からコーディング試験や面接までを全体的に受け持つことに。裁量と責任を持ってコロナ禍の採用につとめることになりました。
そのため、任されて以降はカジュアル面談も偉い人か私のどちらかが行う。コーディング試験は私が全件見る。候補者が通過した場合は希望を反映して面接をアサインするなど、曖昧に行っていた部分が多かった採用活動を改善しつつ、良い候補者が来てもらいやすい組織にしていくような仕事を続ける一年となります。
他方で、そういった組織単位の活動と合わせて、LINE DEVELOPER DAY 2020 の運営に携わることにもなっていきました。
今回はフロントエンドだけでトラック1つを丸一日貸し切れるということだったので、シングルトラックのカンファレンス一つを自由にして良いことになり、そこのフロントエンド管理者となったのも大きな出来事。
トラックに関してのほぼすべての裁量が与えられたので、偉い人とキャリブレーションしながらタイムテーブルを考案していくところから当日まで、やるからには。ということで、これまでのナレッジは存分に活かして全力でコンテンツを作成しました。
結果として今年の LINE という組織においてできる最大限のアウトプットをきっとだせたという実感はあるので、まだ見ていない人はぜひ。
https://devday20-frontend.linecorp.com/
実際の業務について
詳細を上げるときりがないので、ざっと以下のようなもの
- Team (Front-End Advocates TF)
- 社外向け
- 開発組織の採用に対するコミュニティ活動
- 社内に Developer Relation という仕事があるが、それをフロントエンドに特化させた形
- もちろん DevRel とも密接に連携する
- UIT meetup や UIT INSIDE、イベントごとのスポンサーなどはこの業務として取り組む
- DevRel と交互に、 2 週に一度は GarageBand を開けて Podcast を編集する生活
- エンジニアブログ書きたい人がいるとサポートもする
- 国内だけでも複数拠点、子会社もある開発組織なので書くだけでも結構ややこしい
- 代筆もあり、私名義じゃないけど私が日本語を代わりに書いたのもあります
- 自分たちも書く
- 社内に Developer Relation という仕事があるが、それをフロントエンドに特化させた形
- 開発組織の採用に対するコミュニティ活動
- 社内向け
- 組織共通の開発環境の整備
- 年単位で放置されていた Lint ルールのアップデートなど
- (Lint に関しては当時はまだなかった Prettier の設定なども生まれたり)
- 年単位で放置されていた Lint ルールのアップデートなど
- 開発ガイドラインの整備
- こちらは ES5 時代のものを引きずっていたガイドラインの整備
- UIT INSIDE で話している UIT Playbook がそれ
- ドキュメントサイトの作成なども行っている
- 社内勉強会の活性化
- これはほぼチームメンバーがやってくれた
- 組織共通の開発環境の整備
- 社外向け
- 採用関連
- 選考システムの刷新
- 全体的に老朽化が進んでいた選考課題のリニューアルなど
- 候補者の流入経路を可視化と匿名化した上でのチャネルごとの推移のトラッキング
- カジュアル面談
- 偉い人 or 私での2オペ体制に (最近は70%ほど私に)
- コーディング試験
- 全件確認する
- 面接
- 拠点ごとの選考フローなどの確認と改善活動
- 選考システムの刷新
- LINE DEVELOPER DAY 2020
- トラック全体観プランニング
- タイムテーブル作成
- React/Vue みたいな話は聞き飽きてるし LINE で見たいのはそれじゃない
- 敢えて一番でかい時間枠を A11y に。ヒキが強い uhyo を先頭に、あとは LINE ならではのプラットフォームやデザインシステムを盛り込む。みたいなのを考える仕事
- 外部ゲスト依頼・社内登壇者調整
- Webサイト掲載文言のライティング支援
- DEV DAY Frontend にヒキが強いけど嘘をつかないを厳守した文言がやたら多いのは potato4d の色っぽい
- プレゼンテーションアウトライン作成支援・レビュー
- 一緒にストーリー構成を考える仕事
- 全社共通スライドテンプレートレビュー
- スライド作成支援・レビュー
- 自分の登壇
- 登壇 1 件と司会 2 件、それに関する資料作成
- その他
- 他拠点の共同で GH:E の Renovate を立てたり
- 同僚が開発で悩んでいる部分のヘルプに都度入ったり
- callback の仕様とか Nuxt.js の不思議な仕様とか
- 開発組織を良くするための仕事を細々とやった
というところで、3 月に今の Task Force を立ち上げるタイミングで持っていたプロジェクトも他のメンバーに完全にお願いすることになり、今年は in-house ツールの開発や共通パッケージの作成、技術的なサポートで技術は利用しており、事業側のコードは触っていない状態となりました。
対外活動は見えやすいため余計私の業務実態が見えづらいような形となっていましたが、本業では開発組織のことを重点的にやっており、ありがたいことに同僚からも上司からも成果については十分に評価されるなど、エンジニアがやりたがらない人対人の要素を楽しめる性格がかなり業務においてバリューを発揮できた一年かなと思っています。
副業について
OOParts でデザイナーをやったり FEStudy でイベント企画をやったり、 Koibumi という製品を ElevenBack LLC. でリリースしたりと色々ありましたが、こちらについては日常的にアウトプットしているので今回は省きます。
来年の話
とはいえ私自身は事業貢献、特に収益に直結する金勘定が大切な仕事を好む傾向にあります。
おそらく組織のことをやる適性はあり、会社としては他に適任があまりいないのでそちらをやってほしいという気持ちも正直ヒシヒシと感じている一方、やるからには本気でやろうという考えではなく、真にモチベーションを持った仕事に取り組んでいきたいところではあります。
個人で Front-End Study に取り組んでいたり、そういった活動が嫌いではないことは確かな一方、やっぱり企業活動となるとコストセンターであることにある程度苦しみを覚える私には、 100% こういったことをやるのは向いている質ではないな。と、改めて。
R&D などもそうですが、やはりコストセンターの業務を中心にやるのは、適正はあっても心情的には not for me かもなーと思いました。FEStudy なんかは単純にイベント自体がKPIに繋がったりしますが、一企業の開発組織がやるものはどうしても最終のゴールが採用になってしまうのはネックだよなーと思う一年でした。
できる仕事かつ求められる仕事ではあるが、やりたい仕事かというと「はい」とは言いづらい。とはいえやりたくない仕事でもないくらいの温度感のものを抱えるのは、成長できる要素もあるしバリューももちろん発揮できる一方、なにかきっかけがあるとそれだけで熱量を失いかねないリスクを抱えている気がするので、同じような人はその辺りも考えてみると良いかもしれません。
そんなこんなである程度事業に関わりつつも、希少性と発揮できるバリューが従来の業務も引き続きやっていくというのが、2021年となりそうです。
おわりに
仮にもチームリーダーとして公に書くのはどうなんだと思いつつも、振り返ってみると Task Force に入ってくれた @spring_raining には本当にこの一年助けられました。
彼とはもともと地元のテックコミュニティでも知り合いで、内定者の頃に LINE に行くと聞いたときは、まさか自分も LINE に入社して Task Force メンバーとして一緒に仕事するとは思ってもいませんでしたが、新卒 2 年目のそれではない活躍をしてくれました。
入社初日に UIT INSIDE の収録に付き合わせて以降、Task Forceの設立前よりともに UIT INSIDE を運営してきただけでなく、 Task Force でも、新しいバリューを生み出すようなアイデアが生み出してくれる同僚で、本当に助けられました。
プライベートのブログなので仕事関係なく、個人として本当にありがとう。